説教「律法を超える教え」(2/10)

所属する大岡山教会で、以下のように説教を担当します。ルカによる福音書6章27~36節の

「山上の垂訓」を素材に、イエスの教えの真意についてお話しします。説教はおよそ15分。

日曜日の礼拝のなかで行なわれます。礼拝には、どなたも参加いただけます。

 

 日時 2019年2月10日(日) 10時30分~12時ごろまで

 場所 日本福音ルーテル大岡山教会

     145-0063  東京都大田区南千束3-16-5      03-3726-7317

            最寄り駅は、東急大井町線・目黒線「大岡山」駅。駅から南側へ徒歩8分

            程度です。ややわかりにくいので、駅前の地図でよく見て、余裕をもって

            お越しください。

            近くに、他宗派の大岡山教会もあるので、ご注意ください。

    説教  橋爪大三郎「律法を超えた教え」 

   

            聖書や賛美歌は教会に備えつけのものがあります。

            はじめての方でも、安心して参加いただけます。

            途中で献金の袋が回ってきますが、用意のない方はそのまま隣に回せば大丈夫

            です。

 

    ~~~

 

 説教は終了しました。以下に、説教要旨を掲げておきます。(2.11) 

 

  律法を超える教え

 

 イエスが、最初にまとまった教えをのべたのが、「山上の垂訓」でした。「敵を愛しな

さい。上着を奪う者には、下着も奪わせなさい。」思い切った教えです。
 上着は当時は大切で、夜はそれにくるまって寝ます。それを奪うのは、腕ずくです。切

羽詰まった同胞のことを、思いやりなさい、という教えです。
 このように見ると、「山上の垂訓」のテーマは、「貧しさ」です。だから、「貧しい人

びとは、幸いである、神の国はあなたがたのものである。」と始まるのです。
 貧しい人びとは、貧しさもさることながら、人びとの偏見によって苦しみます。あんな

に貧しいのは、神が与えた罰に違いない。けれどもイエスは、貧しいことは、あなたの責

任ではない。こう言って、貧しい人びとを、勇気づけます。
 「貧しい」の箇所は、マタイ福音書は、「心の貧しい」になっています。これだと意味

がぼんやりします。でもイエスは、「貧しい人びと」は幸いであると、ストレートに教え

たのです。要するに、貧乏のこと。だから人びとは、びっくりしました。
 貧しいことは、いいことなのか。誰だって、そうでないほうがいいに決まっています。

ではなぜ、「貧しい人びとは幸い」なのか。イエスの時代に、商品経済が盛んになって、

勝ち組と負け組の格差がひどくなっていました。イエスはこの現実に、心を痛めました。

貧しいことは、罪ではない。自信を持ちなさい。これが第一の教えです。そして、格差や

不平等をそのままにするのが、神の意思だと思ってはならない。そこであなたは、何がで

きるか、自分で考えなさい。律法をただ守っているだけでは、格差も不平等もなくならな

い。律法を超えて進みなさい。これが第二の、大事な教えです。
 「貧しい人びとは、幸いである。」なぜでしょう。第一に、貧しい人びとは、悩み苦

しんでいる人びとを思いやり、共感しやすいのです。神は、悩み苦しむ人びとと共にお

られます。その神と同じようにできるから、「幸い」なのです。豊かなひとは、貧しい

人びとと共にあることがむずかしいのです。
 神は、貧しいもの、弱いもののために、できることをしなさい、と私たちに命じます。

では、何をすればよいか。神殿で、貧しいやもめが、なけなしの硬貨1枚を献げると、

イエスは、彼女がいちばん多く献げたと言いました。神はいつも貧しいものの、信仰の

歩みをみていて下さる。これが、貧しいひとが幸いである、第二の理由です。
 では、この貧しいやもめのように、硬貨が2枚あったら1枚を献げないとだめなので

しょうか。そう決めてしまえば、律法です。律法にとらわれなくてよい。どんなにささ

やかでも、信仰によって献げれば、神は喜ばれるのです。
 「上着を奪う者に、下着も拒んではならない。」そう教えたイエスは、上着も下着も

奪われ、十字架につけられました。イエスの生涯は、「山上の垂訓」を生きる生涯でし

た。「上着を奪われる」とは、悩み苦しむ人びとのため、自分も痛みを分かち合うこと

です。それができるよう、神さまがきっと勇気を与えてくださるのです。

 

            

  

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